カーラッピングと塗装あなたに向いてるのはどっち?見極めるポイント

車の見た目を大きく変えられるボディカラーの変更は人気のカーカスタムです。

従来は塗装での変更が一般的でしたが、近年は高級車オーナーを中心にカーラッピングでのカラーチェンジが盛んに行われています。

塗装とカーラッピング、それぞれの違いやメリットデメリットを紹介します。

目次

カーラッピングと塗装の違い

カーラッピング

カーラッピングされた自動車

カーラッピングは、ラッピングフィルムと呼ばれる専用のフィルムを車体に貼り付けて車のカラーチェンジを行います。
▼関連ページ:カーラッピングとは?価格やメリットを解説

自由に色を作れる塗装と異なり、既存商品の中から色を選ぶことになります。

その点については、様々なメーカーから多くの製品が発売されているのであまり気にならないでしょう。

例えば、最もメジャーな3M™社のラップフィルムは89色のラインナップがあります。

色だけでなく、質感も

  • 艶感のないマット
  • 強い艶感のあるグロス
  • やや艶感のあるサテン
  • 塗装では難しいカーボン

など様々な製品があります。

また、オリジナルイラストや写真などをインクジェットフィルムという専用のフィルムに印刷して車のボディに貼り付けることもできます。

痛車や広告用のラッピングバスなどはこの方法で作られています。

フィルムでボディを覆うため、汚れや紫外線から本来の塗装を守れること、フィルムを剥がせば施工前の状態に戻せることが塗装によるカラーチェンジとの大きな違いです。

塗装

塗装は車体に塗料を吹き付けてボディ色を変えます。様々な塗料を混ぜて好きな色を作ることができるため、自分の思い通りのボディ色にすることが出来ます。

純正色に近い色を作れるので、塗装の一部分をリペアすることも可能です。

  • 単色のソリッドカラー
  • 塗料に小さな金属片を混ぜたメタリック
  • 塗料に雲母の粉を混ぜたパール

などの質感を持たせることができます。

ラッピングに比べて耐久性は高いですが、イラストや写真をボディに描くのは難しいです。

ラッピングと塗装を費用で比較

単純にボディ色を変える場合の費用は

  • 施工内容
  • 施工を依頼する業者

によって大きく変わりますが、一般的にはラッピングの方が高価になります。

車全体のフルラッピングを施工業者に頼むと100万円前後の費用がかかります。
▼関連ページ:車のラッピングにかかる費用の目安を紹介

一方で、全塗装でのカラーチェンジの場合は20〜50万円ほどが相場です。

また、オリジナルのイラストを車体に表現したい場合は、何度も塗料を散布する必要がある塗装の方が高くなります。

塗装もカーラッピングも、

  • 下地の状態
  • 仕上げたいデザイン
  • 施工する車種や範囲
  • どこまで細かく施工するか

によって費用が変わってきます。

多くの塗装業者、ラッピング業者では施工費用を無料見積もりしているので、まずは相談してみましょう。

ラッピングと塗装、デザインの自由度が高いのは?

ラッピングと塗装ではラッピングの方が自由にデザインできます。

デザインを印刷したフィルムを貼り付ける事が出来るので、企業の宣伝車やラッピングバス・トラックはラッピングで作られます。

特に、ワンウェイビジョンというフィルムは窓ガラスに貼り付けられるため車全体を使ったデザイン表現が可能です。

塗装でデザイン性の高い車体を作ることも可能ですが、デザイン費と施工費が高額になるので単色でのカラーチェンジやラインをいれたりといった簡単な物でない場合はラッピングの方がいいでしょう。

ラッピングと塗装の寿命で比較

ラッピングと塗装では塗装の方が耐久性が高いです。

保管状況にもよりますが、カーラッピングに使うラッピングフィルムは約3年がメーカー推奨の使用期間で、それを過ぎるとフィルムを剥がす際に糊が残りやすくなります。

一方塗装の場合は少なくとも3年程度、洗車などのメンテナンスを丁寧にすれば10年近く綺麗な状態を維持できます。

ラッピングと塗装、DIYしやすいのは?

車体の色を変える目的で行うのであればDIYしやすいのは、カーラッピングです。

前提として、車体全体の色を変える場合は塗装でもカーラッピングでもDIYは難しいため、業者に依頼しましょう。

一方で部分的に色を変える場合はカーラッピングの方が行いやすいのではないでしょうか。

塗装をするためにはマスキングテープで養生をする必要があり、塗りムラなどの失敗をした場合も簡単にやり直す事はできません。

カーラッピングであれば失敗してもフィルム剥がせば車体を元通りにできますし、ある程度は貼り直すこともできます。
関連ページ:カーラッピングは自分でDIY出来る?プロが動画で解説

ラッピングのメリットとデメリットまとめ

メリット

カーラッピングのメリットは

  • 塗装では出来ない表現
  • フィルムを剥がして元に戻す
  • 塗装を日光や汚れから保護する
  • データがあれば複数台に同じデザイン

が出来る点です。

特に、フィルムを剥がせば元に戻せる点は車の資産価値を保ちたい高級車オーナーを中心にカーラッピングが選ばれる決め手になっています。

デメリット

カーラッピングのデメリットは

  • 2~3年でフィルムを剥がす必要がある
  • 塗装より費用がかかることがある

という点です。

メーカー推奨の年数を超えてフィルムを貼ったままにすると、剥がす際に糊が残ったり元の塗装が傷む可能性があります。

また、車全体をフルラッピングすると全塗装より高額になることがあります。

塗装のメリットとデメリットまとめ

メリット

塗装のメリットは

  • 耐久性が長い
  • 好みの色を作ることが出来る
  • ラッピングに比べると費用を抑えられる

ところです。

2〜3年で剥がす必要があるラッピングに比べて、塗装は長持ちします。

色についても、塗料や粉末を調合することで自分好みの色や質感を出せます。

費用については施工業者と施工内容によっても変わりますが全塗装の場合はフルラッピングより安くなることが多いです。

デメリット

塗装によるカラーチェンジの一番のデメリットは、元に戻せないところです。

そのため、中古販売時に買取査定額が下がってしまいます。
▼関連ページ:カーラッピングのデメリットとメリットを塗装と比較して紹介

施工後のメンテナンスについて

カーラッピングのメンテナンス

カーラッピングした車はなるべく直射日光や雨の当たらない屋内ガレージでの保管を推奨します。

洗車の際は研磨剤、溶剤、アルコールを含まない洗剤を使って手洗いしてください。

洗車機の使用は可能ですが、ブラシによってラッピングを傷つける可能性があります。

ワックスを使用する際は以下の点に注意してください。

  • 石油系溶剤や研磨剤入りのものは使用しないでください
  • シャンプーインワックスは光沢が上がる可能性があります
  • 艶出しタイプのワックスは光沢が上がったり、光沢ムラが発生します
  • マット系フィルムへのワックスの使用は非推奨です

関連ページ:カーラッピングの洗車・メンテナンスの方法を解説

塗装のメンテナンス

塗装によって色を変えた自動車は塗装が完全に乾燥するまで一ヵ月程洗車を行わないようにしましょう。

それ以外については通常と同じようなメンテナンスで構いませんが、ラッピングと同じように直射日光の当たらないガレージなどで保管したほうが綺麗に保てます。

マット調にカスタムした車のメンテナンス

フルラッピングをした車
マット調にフルラッピングした車

ラッピングでも塗装でもマット調へのボディ色変更は人気のカスタムです。

そんなマットですが、塗装でもラッピングでも表面に細かな凹凸を作ることで光を反射せず、マットな質感にしています。

そのため、ワックスがけはもちろん、少し強くこすっただけで凹凸が滑らかになり艶が出てしまいます。

また、凹凸に汚れが入り込んでしまうことも多いので通常のカラーよりこまめな水洗い、もしくは中性洗剤を使った洗車が必要になります。

その際も、柔らかい布を使って優しく噴き上げる事を意識しましょう。

ラッピングと塗装それぞれこんな人におすすめ

カーラッピングがおすすめな人

カーラッピングによるカラーチェンジがおすすめなのは

  • 痛車のようにオリジナルデザインの車を作りたい
  • 車両を広告目的で利用する
  • 中古販売する予定がある

です。

痛車のようにアニメイラストなどの複雑なデザインは専用のフィルムを使って貼り付けるカーラッピングでしか再現出来ません。

また、営業車等の社用車に自社の宣伝広告を目的として行う場合も

  • 複数台に同じデザインを貼り付けられる
  • 窓ガラスにもフィルムを貼り付けられる
  • リース車の場合は後々剥がせる

といった理由でカーラッピングがベストです。

中古車として車を販売する予定がある方は、価格が落ちにくい色の車を買って好きな色にカーラッピングをして楽しんだ後に、フィルムを剥がして売却すると車両価格を維持したままカスタムが出来ます。

塗装がおすすめな人

塗装によるカラーチェンジがおすすめなのは

  • カラーチェンジを長持ちさせたい
  • 古くなった塗装やキズのリペアをしたい

といった方です。

塗装によるカラーチェンジの耐用年数はカーラッピングと比べて長い一方、中古価格を落とすため、長期間同じ車に乗りたい方におすすめです。

また。塗装が古くなっていたり、キズや剥がれがある場合はラッピングではなく塗装の方がいいでしょう。

カーラッピングでは、ラッピングフィルムをボディにぴったりと密着させるのでキズやボディのへこみを隠すことはできず、むしろ目立たせてしまうことがあります。

また、塗装が傷んだ状態でラッピングをすると、剥がす際に塗装も一緒に剥がれてしまう事があります。

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